「フリーフォーム」
1970年 31分 2800円 (消費税込)
長いライトハンドのポイントポブレークのオープンニングに次いで、南アフリカからスタートする。ダーバンを滑るマイケル“スプリングボック”エスポシィードは70年代南アフリカのスタイルを築いたサーファーだ。ジュニア時代のウェイン・リンチかと見違えるほど、鋭角的なサーフィンである。ジェフリーズベイを滑るゲヴィン・ルドルフは、手足の長さからナット・ヤングとマイケル・ピーターソンのようだ。ショートボードながらノーズライドするのが当時のトレンディーだ。監督のロッド・サンプターのライディングもなぜか観ることができるが、レールの使い方が綺麗だ。
シドニーとゴールドコースト、ベルズのコンテストではナット・ヤング、コール・スミス、テッド・スペンサーらによる新マニューバー時代を見ることができる。サーフボードは6から7フットのシングルフィンが主流だの時代だが、短さを競うショートボード化を終焉させたラルフ・アーネスの貴重なサーフィンも収められている。ベルズとジョハンナでの歴史的なコンテストである。恐怖のウェイン・リンチのバックサイドリエントリーも見ることができる。ビッグベルズのベン・アイパ、ルドルフ、デニス・パン、ナット、リンチは歴史的セッションと語り継がれるが、映像を見るとサーファーが個性的であることが改めて分かる。
ハワイではロペス、リノ・アベリラ、オウル・チャップマン、ベン・アイパ、コーキー・キャロルとオージーのアタックが新鮮だ。全員集合のクラシックなマウイのホノルアベイなど、この時代を知る上で欠かせない映像が目白押しだ。音楽はサンタナ、フリーなどのロックを中心にジャズ、イージーリスニングが古典的である。